製品案内

SR

ストレスリリーフの略で、応力除去焼きなましの一種であるが残留応力除去を主目的とした熱処理。

TA

テンションアニールの略で、応力除去焼きなましの一種であるが熱処理中に張力を加えることで形状修正を主目的とした熱処理。

エッチング

導体パターンを作るため、絶縁基板上の導体の不要部分を化学的又は電気化学的に除去すること。適当な腐食液を用いて鋼の組織を現出すること又着色すること。化学的又は電気化学的に品物の表面を溶解しながらあらわす方法。品物をマスキング(表面を部分的に被覆保護すること)し、アルカリなどで所望の形状に所刻する方法もある。

オーステナイト

炭素(C)を固溶したγ鉄で、鋼をA1変態点以上に加熱したとき得られる組織である。面心立方構造をもち、非磁性で電気抵抗が大きい。炭素鋼では、1145℃で炭素を最大2.03%固溶する。炭素鋼を急冷しただけでは常温でオーステナイト 単相組織は得られないが、マンガン(Mn)やニッケル(Ni)を多量に含む場合は常温で容易にオーステナイト単相組織と なる。

オーステナイト系ステンレス鋼

Cr−Ni系のオーステナイト組織のステンレス鋼で、SUS304およびSUS316が代表鋼種である。オーステナイト系ステンレス鋼は成形加工、溶接性、耐食性に優れ、各種機器および装置材料として広範囲に用いられる。

ガスケット

静止部分に用いる流体の漏れ止め。配管継手フランジ面、ポンプケーシング割り面などからの溶液の漏れを止めるのに用いる。

サブゼロ処理

焼入れ後、残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させるために行う熱処理で、常温よりも低い温度へ冷却し、その温度で均熱する熱処理。深冷処理ともいう。

スーパーステンレス

SUS304やSUS316に比べて、CrおよびMoの含有量が多く、Crは20%以上、Moは、5〜6%以上含有し、耐食性は、Ni基高耐食超合金に匹敵する。Cr、MoとともにNを0.2%以上、Niを18%以上含有するオーステナイト組織のものをスーパーオーステナイトステンレスと言う。

ステンレスバネ

ステンレス鋼は冷間圧延すると加工硬化してバネ性を有する。ステンレスバネ材として汎用される準安定オーステナイト系ステンレス鋼のSUS301およびSUS304は、冷間圧延で加工誘起マルテンサイトが生成して硬化する。また、SUS631は冷間圧延で加工硬化後、時効処理を施す事で、より安定したバネ特性を有する。

ニッケル超合金

Ni含有量が50%以上のニッケル基合金をいう。これらの合金は、汎用ステンレス鋼よりも遥かに優れた耐食性や耐熱性を有する。

フェライト系ステンレス鋼

Fe‐Cr系のフェライト組織のステンレス鋼で、SUS430が代表鋼種である。フェライト系ステンレス鋼は、磁性を有しオーステナイト系ステンレス鋼と比較すると、一般的に加工硬化しにくく、各種特性も劣る。但し、オーステナイト系ステンレス鋼に匹敵する特性を有する鋼種もある。

マルテンサイト系ステンレス鋼

13Crに代表されるFe‐Crのマルテンサイト組織のステンレス鋼。特性は、強磁性体で焼入れ硬化性に優れ、刃物等に使用されるが、硬くて脆いという欠点がある。加工性、溶接性、耐食性はオーステナイト系ステンレス鋼よりも劣る。

応力除去焼きなまし

鉄鋼を変態点以下の適当な温度に加熱保持して鍛造、鋳造、機械加工、溶接などで生じた残留応力を除去する焼きなまし。

加工硬化

金属の塑性加工において、回復もしくは再結晶温度以下では加工度の増加に伴って、加工のための力も急速に増加し、硬さや強さが高くなる。これを加工硬化、またはひずみ硬化といい、結晶中の転位の数が増し、複雑にからみあって運動しにくくなることが原因である。

加工誘起変態

マンガン鋼や準安定ステンレス鋼を加工するとMs点が上昇してマルテンサイト変態が促進される現象をいう。加工によるMs点の上昇には限度があり、その上昇温度をMd点とよぶ。変態量は加工度が大きいほど、また加工温度が低いほど増大する。加工誘起変態を起こした鋼は著しく強化されるが、靱性や延性は低下する。

快削ステンレス鋼

りん、硫黄、セレンなどの元素を少量添加して被削性を改善したステンレス鋼。

結晶粒度

多結晶材における結晶粒の大きさ。一般にはこれを比較法又は切断法によって求めた粒度番号で表す。オーステナイト結晶粒度の試験方法はに規定している。

残留応力

外力や熱勾配のない状態で、内部に存在している応力をいう。冷間加工、焼入れ、溶接などによる不均一な変形の結果発生する。外力、冷却速度の差による熱応力、あるいは変態による応力が合成され、系全体としては引張りと圧縮残留応力は釣り合っているが、複雑で不均一な応力分布を生じ、機械的性質に大きな影響を与える。

時効

金属および合金を急冷または冷間加工後、時間の経過に伴って例えば硬さ等の性質が変化する現象、ないしはそれを生じさせる操作をいう。室温で進行させる自然時効と変化を促進させる為の室温以上の温度で加熱する人工時効がある。析出硬化型ステンレス鋼のSUS631は、性質を調整するために、一般に475±10℃×1時間の時効処理(CH処理)を行う。

時効硬化

多くの合金で、過飽和固溶体をその固溶度曲線より低い温度に保持した場合に、時間とともに硬度が上昇する現象。その原因は過飽和固溶体からの析出にある。

深絞り加工

プレス成形の一種で、ポンチおよびダイスを用い、平板にポンチを押し込む事により、底付きの容器状の製品を作るもの。深絞り用ステンレス鋼は、オーステナイト安定度が高く、延性に富み、異方性の少ないものとなっている。

析出硬化型ステンレス鋼

Cr‐Ni系ステンレス鋼にAl、Cu、Mo、Ti等を少量添加し、熱処理によって金属間化合物または固溶体を析出させて硬化を図った材料。

多段絞り

一回のプレス加工では成形の難しい複雑形状の製品や深い筒状の製品等の成形を、複数の絞り工程でプレス成形する事。多段絞り用ステンレスは、NAS304LG等の軟質で加工硬化しにくい鋼種が望ましい。

鉄‐ニッケル合金

Fe‐Niないしそれらに少量のCr、Mn等を含有する合金。低、高熱膨張率を特徴とし、テレビブラウン管シャドーマスク、ICリードフレーム、バイメタル、磁気シールド等の電子機器部品に使用される。

二相ステンレス鋼

フェライトとオーステナイトとの混合組織のステンレス鋼。材料特性もフェライトとオーステナイトの特徴を有し、強度と靭性に優れ、耐応力腐食割れ性や耐粒界腐食性等の耐食性も優れる。

非磁性ステンレス鋼

オーステナイト系ステンレス鋼は、固溶化熱処理状態では非磁性である。しかし、SUS304に代表されるように曲げ、絞り等の冷間加工によって加工部に加工誘起マルテンサイト相に変態することで磁性を帯びる。一般に、オーステナイト系ステンレス鋼ではNi含有量が多くなるに伴い、冷間加工での磁性が弱まる傾向にある。高Mn含有のNASNM15Mは、強度の冷間加工でも非ヒ磁性を維持する。

非磁性材料

強い磁性を示さず、比透磁率μ0≒1の材料。オーステナイト系ステンレス鋼やチタン合金等が該当する。

    

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